花守の竜の叙情詩/淡路帆希 「強く咲いてくれ、雛罌粟(アマポーラ)」
どもども、kot@syoです。
さてさて、更新更新〜
外歩くだけで汗が噴き出る今日この頃。みなさんは大丈夫ですか?
僕は大丈夫じゃないです。一日終わるたびにぐったりしてPCに向かってます。
今回は、富士見ファンタジア文庫から
『花守の竜の叙情詩』
隣国エッセウーナによって制圧された、小国オクトス。囚われの身となったオクトスの王女エパティークは、絶望の中にあった。
だがある日、そんなエパティークの前に、エッセウーナの第二王子テオバルトが現れ、告げた。
「これから、俺と君とで旅に出る。捕まれば、命はない」
その『旅』とは、願い事を叶える伝説の銀竜を呼び出すというもの。呼び出すために必要とされる生贄がエパティークなのだ。
王位継承争いで帰る場所のないテオバルト。囚われ、生贄となるエパティーク。支配した者と、された者。互いを憎み、反発しながら、孤独な二人の長い旅が始まる―――。宿命の愛と冒険の物語!
全三巻
これは、おもしろいです。
ライトノベルをよむ人だったら一回はよんだほうがいいです。
通してよむのがお勧めですけど、一巻だけでも全然大丈夫です。もともと一巻で終わる予定でしたし。
何も知らないお嬢様が。なにもかもをあきらめてしまった王子が。
旅を続けていくうちに成長していく。
話はすごい王道なんですけど、キャラクターの心理が微細に描かれていてすごく引き込まれます。
人が成長し、恋をする。
そんな、テーマとしてはありきたりなことをしっかりと描き、魅せる。
危うく泣くところでした。
でも、やっぱり大事なのは文章だけじゃなく。
フルーツパンチさんの美麗なイラストも、この作品の質を高める重要なファクターなんですよ。
- 作者: 淡路帆希,フルーツパンチ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/06/20
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 36回
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ではでは、この辺で。
待っているわ……。読者を。
猫の地球儀/秋山瑞人 焔と幽の章
どもども、kot@syoです。
いやー、雨がやんだと思ったら、今度は質量のある熱気が襲いかかってきてもうライフはゼロ寸前ですよ。
梅雨なんだから当たり前なんですけど、ここまで暑いとさすがにちょっと不安になってきます。
水の中歩いてるみたいなんだもん。
さて、今日は電撃文庫から『猫の地球儀』。
また今度って書いたけどすぐ更新。
堪忍や、仕方なかったんや、リクエストなんや。
『猫の地球儀』
スカイウォーカーであると言うだけで宣教部隊に殺される時代。三十六番目のスカイウォーカー朧が残したロボットと彼の人生のすべてが詰まったビンを拾ったのは、朧の予言通り、三十七番目のスカイウォーカー幽でその幽は一匹のちっぽけな黒猫だった―。
史上最強の斑は過去四年に渡りスパイラルダイバーの頂点に君臨し続け、斑に挑戦することはすなわち、死であると言われたその斑に勝利したのは二千五百三十三番のスパイラルダイバー焔でその焔は一匹の痩せた白猫だった―。
そんな幽と焔が出会ったとき、物語は始まる…。SFファンタジー
全二巻
2000年に刊行された秋山瑞人せんせい初のオリジナル作品。
もう10年もたってるのか……。
内容は、ラノベっぽい小説です。もしくはラノベの皮をかぶった小説です。
イリヤはまだラノベとして認めることができましたが、これは小説だ。
でも、ラノベとして見ても問題ないくらいに手軽にさらっと読める。
これこそ、まさにライトノベルと小説の境界線の作品ではないかと思います(ちょっとラノベ寄りかも)。
それと、猫たちがシュールすぎてやばいです。
普通の人間みたいに生活している、でも猫。
みたいな。
楽しい。けど、むなしい?虚無感?
最後まで読めば、自分の言ってることも分かるかもしれません。
はじめてこれを読んだときは、「ラノベとはここまで面白いものなのか」と思いました。
その感覚がウソではないはずだと自分は信じたいですね。
自分がいまの夢を持つことになったきっかけの作品でもあります。
「おもしろい」と太鼓判を押すことはできないですけど、読んでみてください。
きっと、話題の一つくらいにはなると思います。
- 作者: 秋山瑞人,椎名優
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2000/01/01
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ではでは、この辺で。
イリヤの空、UFOの夏/秋山瑞人 第三種接近遭遇
「六月二十四日は、全世界的に、UFOの日だ」
ってやりたかったのに、気づけばもう二十五日だよ!
グダグダとバトスピなんかやってるからこうなるんだろうな。
「おっくれてるぅーーーーっ!!」とか言われても仕方ないと思うんだ、うん!
どもども、テンション高めにはじめました。
kot@syoです。
文頭からもわかるとおり、今回は電撃文庫からイリヤの空です。
「6月24日は全世界的にUFOの日」
新聞部部長・水前寺邦博の発言から浅羽直之の「UFOの夏」は始まった。当然のように夏休みはUFOが出るという裏山での張り込みに消費され、その最後の夜、浅羽はせめてもの想い出に学校のプールに忍び込んだ。驚いたことにプールには先客がいて、手首に金属の球体を埋め込んだその少女は「伊里野加奈」と名乗った……。
おかしくて切なくて、どこか懐かしい……。ちょっと“変”な現代を舞台に、鬼才・秋山瑞人が描くボーイ・ミーツ・ガールストーリー、登場。
全四巻
みんな知ってるイリヤの空
ラノベ読まない人も名前くらいは知ってるんじゃないかな。
一応知らない人のために補足をば。
2001年に刊行された秋山瑞人の作品。『猫の地球儀』に続いて秋山オリジナルの作品である。
『猫の地球儀』についてはまた今度ということで。今回はイリヤの空について。
はじめてラノベで泣きました。
主人公がすっごい青臭くて、弱くて、ただのガキで。
なのに、言うことは一丁前で、ガキなりに悩んで決断して。
これを読んだのは中二のときだったんですが、主人公と自分を重ねてか読んでしばらくは「中学生でも何かできるんじゃないか」とか将来について考えていました。
いま思うとすっごい恥ずかしいな、これ。
セカイ系にまともに触れたのは「最終兵器彼女」以来でしたね。
マンガのノベライズをしながら経験を積んでいたのか、前作『猫の地球儀』を書いてる時から秋山瑞人せんせいの文章はすごく良かったように思います。
ラノベちっくな文体でありながら、しっかりと読みごたえもある。
イリヤの空は自分がラノベにハマることになったひとつの要因ですね。
軽い気持ちで読んでみてください。
表紙は手に取りにくいかもしれませんが、中身はラノベ以上を約束します。
- 作者: 秋山瑞人,駒都えーじ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2001/10/05
- メディア: 文庫
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ではでは、この辺で。
そろそろ夏ですね。
文学少女/野村美月 死にたがりの道化
どもども
ちわーっす、kot@syoです☆
なんかさいきん晴れたと思ったら、雨降ったリー、降ったと思ったら曇りだったリー、なんかすげぇ萎えるんすよねー
だからぁー、ブログの更新も遅れるっていうかぁー
……疲れた。
なれないことはするもんじゃないですね。
自分で書いてて、画面を殴りたくなりました。
ブログの更新遅れてごめんなさい。m(_)m
ではでは、気を取り直して今日の更新もファミ通文庫から
『文学少女と〜』
物語を“食べちゃうくらい”に愛している!
ビター&ミステリアス学園コメディ、登場!!
「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。それは、単なる恋文の代筆のはずだったが……。
物語を食べちゃうくらい深く愛している“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な“お化け”の嘆きと絶望の物語だった――!
野村美月が贈る新味、口溶け軽めでちょっぴりビターな、サスペンスタッチ学園コメディ、開幕!!
全八巻
まぁ、みなさん知ってますかね。
かの有名な文学少女シリーズです。
それでも、このブログはしらない人も読んでると思うのでしっかり紹介します!
決してネタ切れとかじゃないですよ?
自分がこの本で一番推したいのは、やっぱり作中で登場する文学作品の数々です。
『人間失格』『嵐が丘』『夜叉ヶ池』……etc
古今東西の名作を紹介するとともに、それらをうまくストーリーに絡めてくる。
具体的な内容については最低限にしか触れられていないので、その作品を読んでいなくても十分に楽しめる。
もちろん、読んでいても楽しめる。
作品のタッチもどこか甘酸っぱくて、竹岡さんの淡いイラストとすごくマッチしてる。
さながら、バニラアイスを添えたベリータルトのような――。なんて。
はい、気持ち悪かったですねすいません。
とりあえずオススメです。
未読の方も読書家の方もぜひ!
未読の方は、これをきっかけに文学に目覚めるかも!?
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/04/28
- メディア: 文庫
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ではでは、今日はこのへんで
ななせーーーーーーーーー!好きだーーーーーーーーーーーーーー!
学校の階段/櫂末高彰 「素晴らしき! 思春期の暴走!」
ドーモ。読者=サン。kot@syoです
今日はファミ通文庫からの紹介です。
『学校の階段』
季節は春――高校生活を楽しく送れるラク〜な部活に入るため見学に余念のない神庭幸宏は、ある日、校内を走り回る「階段部」なるものと出会う。学校非公認、邪魔もの扱いの部にムリヤリ体験入部させられた幸宏だったが、ひたむきに「階段走り」にかける部員たちの姿に自分の中に芽生えた欲求に気づく。「とにかく走りたい!」そして幸宏は駆け出す! ビバ青春の無駄足!
真正面から「若さ」を描く第7回えんため大賞「優秀賞」受賞の学園グラフィティ!!
全十巻
怪談じゃありません。階段です。
先生だろうが生徒会だろうがなんのその!
勉強も大事だけど、高校生にはもっといい時間の使い方があるんだ!
みたいな気持にさせてくれる作品です。
青春を題材にした作品は数あれど、この作品のように真っ向から『ただ走る』ということを題材にした作品は少ないです。
自分のやりたいことをやる!
っていうことを全面に押し出してるんで、抵抗ある人はいるかも。
でも、自分と重ねなくてもいいんで「若いなぁ」とか、バカやってるのを見て笑うくらいの気持ちで読んでみてください。
ちなみに、自分はこれを読んだのは高1の時だったんですが、校則が厳しすぎて実践しようとは思いませんでした。
- 作者: 櫂末高彰,甘福あまね
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/01
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ではでは、短いですがこの辺で。
シツレイ
Missing/甲田学人 神隠しの物語
どもども
まさかこんな短いスパンで更新するなんて思いませんでした。
kot@syoです。
いやー、やっとブログをやってるという自覚が出てきたのかな?
すいません、嘘です
実感はともかく、自覚はまだでてきてないです。
これからがんばります、多分
さて、今回は前回に続いて電撃文庫からの紹介です。
『Missing』
物語は『感染』する。そして徐々に、現実は『異界』に喰われている。
これは現代の『神隠し』の物語。その少女に関わる者は、誰もが全て『異界』へ消え失せるという怪異なり都市伝説。
幼い頃『異界』から生還した過去を持つ少年――空目恭一。
常に黒ずくめの格好をしている彼は、傲慢な態度とオカルトに関する圧倒的な知識量から「魔王陛下」と呼ばれ変人扱いされていた。
そんな空目恭一が、一人の『神隠し』の少女と出会った時……!
鬼才が贈る現代ファンタジー、登場!
全十三巻
有名だし知ってる人も多いかな?
「自分の作品はホラーではなくメルヘンである」
「残酷描写はあるものの、グロテスクでは決してない」
などの迷言を残した甲田学人せんせいのデビュー作です。
そんなことないです。グロいです!
声を大にして言ったった!
でも、勘違いしないでもらいたいのは、別に悪いと言っているわけじゃないんです。
むしろすごいと思います。
普通なら目をそらしたくなるほどに緻密な描写をしているのに、目をそらすどころかむしろ引きずり込まれるような文章。
僕ははじめて読んだとき鳥肌が立ちました。
描写の彩度だけなら、後に書かれた番外編『夜魔』の方が格段にグロいですが、僕は本編のこちらの方が好きです。
そんな僕のおすすめの描写があるのは、七巻「合わせ鏡の物語・完結編」です。
読んだことある人はティンと来るんじゃないでしょうか?
そうです。あのシーンです。
読んだことがない人は是非読んで見てください。
この本も読む人は選ぶと思いますが、読んでいくうちに引き込まれていきます。きっと。
- 作者: 甲田学人,翠川しん
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2001/07
- メディア: 文庫
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ではでは、今日はこの辺で。
あなたが"本当の自分"になれますように
旅に出よう 滅びゆく世界の果てまで/萬屋直人 「夢」「翼」「旅」「少年と少女」
どーも、お久しぶりです
kot@syoです。
二回目だというのに、ずいぶん間が空いてしまいました。
忙しかったというのもあるんですが、いろいろ悩んでもいました。
んでんでんで、悩んだ結果、このブログで書くことはラノベに一本化することにしました。
初志貫徹なんてなんのその。
オタクトイ? ホビー? んなの知るかーい! (ノ;>ω<)ノ
ということで、今回は
『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』
世界は穏かに滅びつつあった。「喪失症」が蔓延し、次々と人間がいなくなっていったのだ。人々は名前を失い、色彩を失い、やがて存在自体を喪失していく……。
そんな世界を一台のスーパーカブが走っていた。乗っているのは少年と少女。他の人たちと同様に「喪失症」に罹った彼らは、学校も家も捨てて旅に出た。
目指すのは、世界の果て。
辿り着くのかはわからない。でも旅をやめようとは思わない。いつか互いが消えてしまう日が来たとしても、後悔したくないから。
記録と記憶を失った世界で、一冊の日記帳とともに旅する少年と少女の物語。
知ってる人は知っている。よくわからない爽やかな読後感に包まれる作品。
最近のラノベには珍しく(と言っても2008年刊行だが)、なにか尖ったものもない作品です。
文章は粗いし、文体も安定しない。作者自身も設定を覚えているのかと思う部分もある。
でも、生きている。これぞラノベというくらいに、この作品にはキャラクターが生きてるんです。
お話的にそう感じてしまう部分もあると思いますが……。
でも、生きてると思うんです!(笑)
とにかくそんなキャラクターたちがスーパーカブに乗って、いろんな人たちと関わっていく。
きっと、彼らと一緒になって笑ったりうれしくなったり、時には切なくなったりするかもしれません。
読み終わったら、あなたもよくわからない爽やかな読後感に襲われるでしょう。
もしかしたら旅に出たくなるかもしれません。
読む人は選ぶかもしれませんが、後悔はしないと思います。
さぁ、あなたもよくわからない爽やかさを味わおう!
- 作者: 萬屋直人,方密
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 文庫
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※スーパーカブというのはHONDAのオートバイで、要はめっちゃ頑丈な軽めのバイク。
畑でおじいちゃんが載っているのを想像してもらえれば大丈夫です。
ではでは、今日はこの辺で。
ばいにー☆